偽造を防ぐ最新技術が施された新デザインの500円硬貨が1日、発行された。日本銀行から各金融機関を通じて市中に出る。早ければ4日にも手にできそうだ。
1982年に初めて登場した500円硬貨のデザイン変更は2000年以来2度目。2色3層の構造や、縁に刻まれたギザギザの間隔が部分的に違うなど、新たな偽造防止技術が用いられた。財務省によると、21年度中に約2億枚の発行を予定する。大手金融機関によると、各店舗で両替できるようになるのは4日ごろになるという。旧デザインの硬貨も引き続き使える。
公共交通機関などの対応状況は各社で異なる。
JR東日本によると、同社の駅にある券売機は一部を除いて対応済み。22年度中にすべてを対応させる予定という。東京メトロは、1日時点で同社が管理する駅ごとに券売機のうちの1台を新硬貨対応に替えたという。すべてを交換していない点については「新硬貨の流通状況に合わせて改修を検討している」(広報)と話す。新硬貨対応かどうかを示すステッカーを券売機に貼っているという。
路線バスの運賃箱は非対応が多い。複数のバス会社が注意を呼びかけている。
そのうちの1社、首都圏で路線バスを運行する国際興業(東京)は、運賃箱が未対応とツイッターなどで発信している。ICカードが普及し、500円硬貨の使用頻度が限られることや、24年度に発行予定の新紙幣への対応もあることから「今のところの対応の予定はないが、今後の流通量などをみて検討していきたい」(広報)という。(吉田貴司)
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