【NQNニューヨーク=張間正義】17日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅に続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の12月物は前日比2.40ドル(3.0%)安の1バレル78.36ドルで取引を終えた。一時は77.69ドルと1カ月半ぶりの安値を付けた。米国が中国に対し、原油の戦略備蓄の放出を要請したと伝わり、需給緩和を意識した売りが優勢だった。
米国の中国への要請はサウスチャイナ・モーニング・ポストが17日に報じた。バイデン米大統領が中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と16日に開いたオンライン協議で、話題として取り上げたという。市場では先週から米政府が原油の戦略備蓄を放出するとの観測が出ている。今回の報道を受け、米中が連携する可能性が意識された。
バイデン氏は17日、高止まりするガソリン価格を巡り、石油・ガス会社の違法な価格のつり上げを取り締まるよう米連邦取引委員会(FTC)に指示した。インフレへの国民の不満が高まるなか、本格的に原油価格の抑制に動くとの見方につながった。
ニューヨーク金先物相場は3営業日ぶりに反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比16.1ドル(0.9%)高の1トロイオンス1870.2ドルで取引を終えた。インフレに強い資産とされる金が買われた。長期金利が低下し、金利の付かない金の投資妙味が高まるとの見方から買いが入った。
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