日大理事の井ノ口忠男容疑者ら２人を背任容疑で逮捕…東京地検特捜部 - 読売新聞

　日本大学医学部付属板橋病院（東京都板橋区）の建て替え計画を巡り、大学側から２億２０００万円を流出させた疑いがあるとして、東京地検特捜部は７日、同大の関連会社「日本大学事業部」（世田谷区）取締役で同大理事の井ノ口忠男（６４）、大阪市の医療法人前理事長・籔本雅巳（６１）の両容疑者を背任容疑で逮捕した。井ノ口容疑者は籔本容疑者側から数千万円を受領した疑いもあり、特捜部は不透明な資金の流れの解明を図る。

　発表では、２人は共謀し、２０２０年８月、同大側が都内の設計会社との間で締結した同病院の設計業務契約を巡り、２億２０００万円を都内の医薬品関連会社に送金して流出させ、同大側に損害を与えた疑い。

　関係者によると、医薬品関連会社は籔本容疑者が全株式を保有しており、両容疑者は設計会社との間に実態のないコンサルタント契約を結ばせていた。送金された資金のうち、約１億円は籔本容疑者の口座に移されてクレジットカードの支払いなどに、残りは医薬品関連会社の役員報酬などに充てられたという。

　一方、２億２０００万円が送金された翌月の同年９月、医療法人側の別会社から、井ノ口容疑者側の会社に６６００万円が移動。このほか、籔本容疑者から井ノ口容疑者に現金が複数回にわたり渡されていた疑いもあるという。

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