31日午後8時ごろ東京・調布市を走行中の京王線の車内で男が刃物を振り回して周りの乗客に切りつけ、さらに液体をまいて車内に火をつけました。
これまでに17人がけがをして、このうち1人は意識不明の重体だということで、警視庁が20代の容疑者を殺人未遂の疑いで逮捕して詳しい状況を調べています。
警視庁などによりますと、31日午後8時ごろ東京・調布市の国領駅近くを走行していた京王線の車内で、男が刃物を振り回して周りの乗客に切りつけました。
捜査関係者によりますと、男はさらに油のような液体をまいて火をつけたということで、先頭から6両目の5号車付近で一時、大きな炎が上がりシートの一部が焼けました。
電車は新宿行きの上りの特急電車で、本来は止まらない国領駅に緊急停車し、乗客はホームに降りて避難しました。
容疑者は年齢が20代で、緑色のシャツにネクタイをして青っぽいスーツとコートのような服を着ていて、駆けつけた警察官にまもなく取り押さえられて殺人未遂の疑いで逮捕されました。
捜査関係者によりますと、調べに対して自分の名前などを名乗らず事件についてもほとんど話していないということです。
また、警視庁などによりますと、これまでにけが人が17人いて、このうち60代くらいの男性が刃物で刺されて意識不明の重体だということです。
警視庁が当時の詳しい状況を調べています。
現場にいた人の目撃情報などから逮捕された容疑者は髪は短く、眼鏡をかけていたということです。
また、緑色のシャツにネクタイをして、青色の上下のスーツに紫色っぽいコートを着ていたということです。
この格好はアメリカの映画やコミックスに登場する有名なキャラクターに似ていて、現場にいた人の中には「ハロウィーンの仮装かと思った」と話す人もいたということです。
京王電鉄によりますと、午後8時ごろ、東京・調布市の国領駅付近で京王線の上りの新宿行き特急電車の車掌から「車内に刃物を持った男がいる」と連絡があったということです。
このため、本来は止まらない国領駅に緊急停車し、乗客はホームから降りて避難したということです。
これまでに乗客の60代の男性1人がけがをしていうという情報がありますが、そのほか詳しい状況などは分かっていないとしています。
特急電車は調布駅を午後7時54分に出発し、次の停車駅の明大前駅に向かっていました。
国交省鉄道局によりますと、京王電鉄から「乗客から『刃物を持った男がいる』と非常通報装置を通じて、運転士や車掌に通報があった」と連絡があったいうことです。
また、京王電鉄によりますと、新宿駅寄りの前から6両目で車内で火災を感知する装置が作動し、何かが燃えた跡が確認されたということです。
京王電鉄によりますと、事件のあと京王線はつつじヶ丘駅と飛田給駅の間、相模原線は調布駅と若葉台駅の間のいずれも上下線で運転を見合わせています。
事件が起きた電車は国領駅の上りホームに停車し、警察が現場検証をしているため、運転再開の見込みは今のところたっていないということです。
このため、京王電鉄ではJRや私鉄各社に依頼し振り替え輸送を行っていて「ホームページなどで確認して欲しい」と話しています。
事件があった京王線の車両に乗り合わせていた男性が撮影した動画は午後8時すぎにツイッターにも投稿されています。
京王線で火災が発生したという内容の文章とともに、事件があった車両内を逃げる人たちの様子が映されています。
映像の途中には車両の奥で急激に火の手が上がっていて、乗客たちが手前方向に向かって逃げてきています。
動画には、停車した事件があった車両の窓から、乗客たちが次々に脱出する様子が映されています。
乗客たちが互いに手を取って助け合いながら車両から脱出し、ホームに降り立っている姿も見られました。
事件があった京王線の車両に乗り合わせていた木村俊介さん(32)は、午後8時ごろに車内で火が出ている様子や、窓から脱出する様子などを撮影した動画をツイッターに投稿しました。
木村さんは当時の状況について「真ん中あたりの車両に乗っていたら、後ろ側の車両から多くの人が走って来て、何だろうと思っていたら『ポン』という音とともに炎と煙が見えた。これはまずいと思って前の車両の方に逃げようとしたが、車両の連結部分で多くの人が詰まってしまって移動できないような状況になった。隣の車両からオレンジの炎が見えて煙も迫っていたのでまずいと思い、窓から飛び降りた。その際、肩から落ちてしまい、肩をけがした。ほかにもけがをしている人やガソリンをかけられたという人もいた。車内で何が起きているのか分からない状態でドアもすぐに開かないし、命からがら窓から逃げた、こわかった」と話していました。
同じ列車に乗っていたという50代の会社員の女性は「2両めか3両めにいたところ後ろのほうから人が一斉に押し寄せてきた。『やばい男がいる』という声が聞こえて、私も含めて、皆あわてて車両の窓を開けて逃げました。逃げている途中に、『刃物を振り回している』という声も聞こえました。とても恐ろしくて震えが止まりませんでした」と話していました。
事件が起きた列車に乗っていた50代の会社員の女性は「車内で携帯電話を見ていたところ、後ろの車両から乗客が次々に『やばい』とか『変な人がいる』などと言いながら、早足でこちらの車両に移動してきたので、自分も逃げました。列車のドアも開かずみんなパニック状態になっていて、窓から駅のホームに降りました。怖いというより何が起きたのか分からず、とにかく早く逃げたいという気持ちでした」と話していました。
事件が起きた電車に夫と一緒に乗っていたという40代の女性は「たくさんの人が逃げながら私たちのいた車両に来たので、何かあったのかと思ったらすぐに刃物を持った男が来て私と主人の座る目の前でペットボトルのような容器に入った液体をまき始めました。男が液体をまく瞬間に逃げて主人の膝には液体がかかりましたが、今のところは大丈夫なようです。すごい刺激臭のようなものが車内に充満したので、みんな逃げ惑うような状況でした。車両から降りたあとで火の手が上がっていることに気がついて、煙もかなり充満していました。男はほぼ無表情で、淡々と犯行におよんでいて、それが怖かったです。全く想像もしなかったことで、けがをした人もたくさんいるようなので、とても心配です」と話していました。
事件のあった車両に乗り合わせていたという24歳の男性が撮影した車内の動画には、多くの乗客が先頭車両に向かって逃げたためか車内が混雑する様子が写っていて「押さないでください」などと叫ぶ女性の声も聞こえます。
男性は「後ろの車両から人が逃げてきたので、何が起こったか分からなかったが、自分も先頭車両まで逃げた。逃げる途中に後ろから“ツン”とする刺激臭がした後、後ろから煙が見えた。その後、窓を開けて線路におりた。今後、電車に乗れないと思うぐらい怖いです」と話していました。
からの記事と詳細
https://ift.tt/3nNdi3I
ビジネス
Bagikan Berita Ini
0 Response to "京王線車内で男が乗客切りつけ6人けが 1人は重体|NHK 首都圏のニュース - NHK NEWS WEB"
コメントを投稿