29日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、前日比72円60銭(0.25%)高の2万8892円69銭で終えた。好決算や業績見通しの上方修正を発表した銘柄に買いが入り、上げ幅は180円を超えて心理的な節目の2万9000円に乗せる場面もあった。一方で週末に衆院選の投開票を控えて一時は300円超下げるなど、1日を通してみると方向感に欠ける展開だった。
米アップルや米アマゾン・ドット・コムが28日の通常取引終了後に発表した2021年7~9月期決算の内容を嫌気して、日本時間29日の米ナスダック先物は下落した。さらに国内では衆院選で自民党の単独過半数の維持に懐疑的な見方が強まり、短期筋は朝方から日経平均先物に売りを仕掛けた。
ただ、キーエンスやソニーGなど好決算を発表して買いが入る銘柄も多く、日経平均の下値は堅かった。衆院選投開票をまたいで週明けまでポジションを持ち越したくない投資家が多いなか、午後は売り方による買い戻しが進んで日経平均は前日終値を上回る水準で推移した。
週末の衆院選投開票に加えて来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)も控えるため中長期の投資家は様子見姿勢を強めている。短期筋の売りと買い戻しが一巡したあとは日経平均は前日終値近辺で小幅な動きとなった。
JPX日経インデックス400は3日続落。東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発し、前日比1.52ポイント(0.08%)高の2001.18で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆5317億円。売買高は15億6498万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1026、値下がりは1052と拮抗した。変わらずは106銘柄だった。
昼に上方修正を発表した商船三井が後場に急伸し、郵船と川崎汽も連れ高した。富士電機やオムロン、リコーも買われた。半面、アルプスアルが大幅安。パナソニックやサイバー、三菱重も安い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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