全日本空輸(ANA)とコモンズ・プロジェクトは、新型コロナウイルスのデジタル陰性証明書「コモンパス」の実証実験を、日本で初めて実施した。
「コモンパス」は、スイスとアメリカに拠点を置くコモンズ・プロジェクトと世界経済フォーラムが連携して開発を進めている、新型コロナウイルスの検査結果やワクチン接種履歴を格納できるデジタル証明書。iOS端末では「Apple Health」、Android端末では「CommonHealth」アプリ内に格納できる。アプリの利用料金は無料。
指定の医療機関で受けた、新型コロナウイルス検査の陰性証明書を、各国の出入国基準や、医療機関のデータベースとともに照合し、陰性証明書が本物であることや、最新の検疫基準を満たしたものかをアプリが自動判定する。これにより、搭乗手続きにかかる時間を短縮できる。従来の陰性証明書は紙面であり、異なる言語であることや、偽造が可能であるといった問題があることから、デジタルの優位性があるという。提示するアプリ画面には、名前や生年月日、パスポート番号といった情報が記載されており、それ以外の個人情報にはアクセスできない。
実証実験は、3月29日の東京/羽田発ニューヨーク行きのNH110便と、4月3日のニューヨーク発東京/羽田行きのNH109便を対象に、コモンズプロジェクトの事務局員と一般ボランティアの2名が実施する。
今回の実証実験では、カウンターなどでスムーズに「コモンパス」で利用できるかということを検証し、今後の改善点をはっきりさせることを目的としている。実用化には、各国での承認が必要となる。アメリカではデジタル陰性証明書を紙と同様に扱うとしており、徐々に増えてくることを見込んでいるという。
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