バイデン米大統領が近く発表する包括的税制案には、資産相続時の税負担を大きく減らせる現行の優遇制度を富裕層から取り上げ、富裕層の所得税最高税率を引き上げるとともに、内国歳入庁(IRS)の税務調査能力を増強するための大幅な予算増額が盛り込まれる。税制案に詳しい関係者が明らかにした。
バイデン大統領、一連の増税提案へ-共和の反対や民主の要求に直面
相続資産の売却益を計算するベースを、該当資産を取得した当時の価格ではなく、相続時の市場価格に修正する「ステップアップ」方式が廃止される。従って富裕層の相続人が支払う遺産税は大幅に引き上げられる。
IRSの予算は10年かけて800億ドル(約8兆6700億円)増額し、富裕層や企業に対する税務調査能力を強化する。関係者によれば、これによって7000億ドルの税収が期待できる。
IRSの税務調査能力を強化する案の詳細については、ニューヨーク・タイムズが先に報じていた。
原題:
Biden Aims to End ‘Step Up in Basis’ Benefit for Rich Estates(抜粋)
(2段落目「被相続人」を「相続人」に訂正します)
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