新型コロナウイルスのワクチン集団接種を従業員が受けるとして、新潟県佐渡市内の食品スーパー「フレッシュマツヤ」が日曜日を「全店休業日」と知らせるチラシを配布していたと、ツイッターで反響を呼んでいる。
「マツヤの従業員も佐渡市の職域接種の対象としていただけました」。そのお知らせは、こんな書き出しで、特売品などを並べたチラシの右下に出されていた。
「トップの判断がスゴイ」
そこでは、「従業員とお客様の安全のため、ワクチンの接種を優先」したとして、2021年8月22日の日曜日を全店休業日としたと説明している。
そして、翌日の23日月曜日について、「従業員が少ない状態で営業するため、商品・サービスに不足があるかもしれません。なにとぞご容赦ください」と記している。
しかし、その分、休業前日の20、21日については、「しっかり販売させていただきます」として店の利用を呼びかけていた。
このチラシの写真が、ツイッターで22日に投稿され、2000件以上もリツイートされている。スーパーに好意的な声は多く、「日曜日に全店休業って、トップの判断がスゴイ」「誠実さが強く感じられますね」「応援したくなる企業だわ~」などとリプライが寄せられている。
スーパーの集団接種について、佐渡市の市民生活課は23日、市が職域接種として行っている大規模接種のことを指すとJ-CASTニュースの取材に説明した。
「一般的に職域接種と言えば、1000人以上の企業や大学などが事業主体になってやりますが、佐渡は離島で小さい企業しかありませんので、市が主体となって集団で接種を受ける機会を設けました。優先接種リストを作り、高齢者施設や島外からの客に接する観光業、不特定多数と接触するスーパーなどのサービス業が今回の対象になりました」
市の公式サイトや商工会などを通じて、企業などから接種の申し込みを受け付けた。会場は佐渡市総合体育館で、1回目の接種は、すでに7月31日、8月1日の土日に済ませた。8月21、22日には、2回目の接種を行った。チラシを出したスーパーも、従業員が2回目を受けている。
「副反応が重くなると不安の声が出ていたので、休みにした」
スーパーが集団接種のために休業日を設けたことについて、市の市民生活課は、こう話した。
「チラシで休業をお知らせするというのは珍しく、このスーパーしか聞いていません。2回目の接種の方が、副反応が出やすいところがあることも関係があるかもしれませんね。他の企業が休業日を設けているかどうかは分かりません」
なお、優先接種リストには、保育園の保育士や小中学校の教員なども含まれていたが、ワクチンの供給が足りなくてできなかったという。ただ、9月からの通常接種で、一般の人より先行して予約できるようにしたとしている。
佐渡市内で4店舗を展開しているフレッシュマツヤの金子正博社長(50)は8月24日、全店休業日を設けた理由について取材にこう説明した。
「希望者全員にワクチンを接種してもらい、土曜日と日曜日にそれぞれ半数ずつ受けてもらいました。2回目の接種は、副反応が重くなると不安の声が出ていましたので、接種翌日の人と接種の人が重なる日曜日は休みにしようとなりました。結果として、接種後に熱が出た人が結構いましたので、休みにしてよかったと思います。日曜日は、8月で一番売り上げが上がる日なのできつかったですが、零細企業のため少ない人数でやりくりしており仕方がありませんね」
チラシにお知らせを出した理由については、「お客様が接種のことを知らないのは失礼だと考えたからです。何人かのお客様からは『偉いね』とほめていただきました」と話す。月曜日は、従業員の数が少なくなったが、「お盆の時期が終わっていましたので、何とかなりました」と明かした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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