トヨタ自動車はテスラの一歩先を行っている。トヨタ自動車の豊田章男社長は6日の決算会見で電気自動車(EV)専業で、株式時価総額で世界最大の自動車メーカーに成長した米テスラについてこのように述べた。
豊田社長は同日開いた決算会見で、時価総額が4000億ドル(約41兆円)となり急成長している テスラについて株式時価総額では負けているほか、EVや自動車のソフトウエアのアップデートでも収益を上げるビジネスモデルで「われわれにとっても非常に学べる点が多々ある」とした上で、トヨタも先端技術への先行投資は進めており、「株式市場でも認められているのではないか」と述べた。
その上で、トヨタにあってテスラにないものは1億台を超える保有台数に代表される「リアルの世界」だと表現。テスラのビジネスを飲食業に例えて、キッチンやシェフもない中でレシピをトレードし、それが世界の料理のスタンダードになると評価されていると表現。
現実の顧客から選ばれるという意味ではハイブリッド車(HV)も含めてさまざまな電動化メニューを持っているトヨタが「一歩先を行っているのではないか」と述べた。
トヨタは以前、テスラに出資して提携関係にあった。その後、保有していたテスラ株をすべて売却し、提携を解消している。テスラは今年7月に株式時価総額でトヨタを初めて 上回り、現在ではその差は2倍近くまで拡大している。
また、豊田社長は1月に発表した、静岡県裾野市で計画する実験都市「Woven City(ウーブン・シティ)」を2021年2月23日に着工する予定であると明らかにした。自動運転などの先端技術を導入・検証する同都市には約360人が住むと述べた。
高齢者と子育て世代、発明家がウーブン・シティの住人になるとし、「一緒に住まわせることで、そこでのいろんな社会課題に向けた発明を非常にタイムリーに起こさせていきたい」と語った。発明家には「一定の期間を設け、その間に成果が出なければ次の方に変わっていただく」仕組みを考えているという。
ウーブン・シティのパートナーにはこれまで3000の個人や法人などから応募が来ていることも明らかにした。
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