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勝ち組のJAL、負け組のANA…不振業界で明暗を分けた"財務戦略"の差 - goo.ne.jp

PRESIDENT Online 掲載

■11月に入って約13%も上昇した

11月10日の東京株式市場で日経平均株価が6日続伸し、一時2万5000円台を回復した。

日本株は10月半ばごろから強気が続いていた。そこに米ファイザーなどが開発を進める新型コロナウイルスワクチンの治験で、同社が予想以上の効果が得られたと発表。9日の米国株式市場でダウ工業株30種平均が大幅反発し前日比834ドル57セント高の2万9157ドル97セントで引けたのを受け、日経平均も続伸、一時29年ぶりに大台を回復した。

急ピッチの上昇はなお続き、11月11日には終値も2万5000円台に乗せた。17日には2万6014円62銭と2万6000円台も回復している。10月30日の終値は2万2977円13銭だったから、11月に入って17日までに日経平均株価は約13%上昇したことになる。

11月10日の東京株式市場には特徴があった。今年3月以降、「コロナ・ショック」で株価が急落したが、その後の戻り相場を牽引したのは一部のグロース(成長)株である。しかし11月10日の日経平均一時2万5000円台回復の主役は経済の停滞が逆風になるバリュー(割安)株だった。

■不振にあえぐ航空・鉄道の株価が上がっている

例えば三越伊勢丹ホールディングス株を見てみよう。同株の年初来高値は1月17日につけた1020円である。その後、コロナの感染拡大で営業自粛を余儀なくされ、緊急事態宣言解除後も客足の戻りが鈍いことなどから7月31日には上場来安値となる479円をつけていた。

11月9日の終値は508円。これが10日には574円まで上昇した。値上がり率は実に約13%。翌11日には604円まで上がった。

同日、2020年4〜9月期の売上高が前年同期比41.8%減の3357億円、最終損益が367億円の赤字(前年同期は75億円の黒字)だったと発表したため、12日には反落したものの、終値は10日と同じ574円。500円前後でうろちょろしていた株価の水準訂正が起きている。これ一つをとってもバリュー株が物色されたことが分かるだろう。

コロナ禍の中でのバリュー株、すなわち出遅れ株の代表格は航空や鉄道である。このセクターの株は三越伊勢丹株同様、10日の東京株式市場で大幅に上昇した。日本航空株の10日の終値は1989円。前日に比べ21%強上昇した。ANAホールディングス(HD)株の終値は2660円で18%強上がっている。一方の鉄道では東日本旅客鉄道株が15%、西日本旅客鉄道株も15%値上がりした。

一方、グロース株の代表銘柄ともいえる任天堂株の10日の終値は5万4010円で、前日に比べ約4%下落。コロナ禍が追い風となった出前館株は10日に約16%下がり、2830円で引けている。これほど見事にバリュー株が買われ、グロース株が売られるという相場も珍しい。

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