米モデルナのコロナワクチンは、17日のFDA会合で審議される=ロイター
【ニューヨーク=野村優子】米バイオ製薬のモデルナは11月30日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請した。17日に開催されるFDAの第三者委員会を踏まえて、承認される見通し。申請は米製薬大手ファイザーに続いて2例目で、2つのワクチンが年内に実用化される可能性がある。
同日、臨床試験(治験)の最終分析で感染を防ぐ有効性は94.1%だったと発表した。治験参加者3万人超の半数にワクチンを投与し、残りの半数には効果の無い偽薬を与えている。そのうち新型コロナに感染した196人を調べたところ、185人が偽薬の投与者でワクチン接種者は11人にとどまった。
新型コロナに感染した参加者のうち重症化した30人は全て偽薬の投与者で、ワクチンを得ていた人は発症しても重い症状にならなかった。また、現時点で深刻な副作用は確認されていない。ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「重症化を防ぐ効果が確認できたことが重要だ」と述べた。
同社は11月16日に94.5%の有効性が確認できたと発表していた。この時は分析対象となる感染者数が95人にとどまっており、さらなる分析を続けるとしていた。
FDAへの申請は、ファイザーに続いて2例目となる。11月20日に緊急使用許可を申請したファイザーのワクチンは、モデルナより1週間早い10日の第三者委員会で審議される予定。承認が決まれば、直ちに供給が始まる。モデルナは欧州連合(EU)当局にも、30日中に条件付き販売許可を申請する。
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