日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)などによる巨大な経済圏の実現を目指す地域的な包括的経済連携(RCEP)交渉の首脳会合が15日、テレビ会議方式で開催され、交渉から離脱したインドを除く15カ国で協定に署名した。参加国全体での関税撤廃率は品目ベースで91%となる。日本にとっては、貿易額が最大の中国、3位の韓国と初めて結ぶ自由貿易協定となり、国内総生産(GDP)の合計、世界人口のそれぞれ約3割を占める巨大経済圏がスタートを切る。
会合と署名式には日本から菅義偉(よしひで)首相らが出席。署名式後取材に応じた梶山弘志経済産業相は「日本の工業製品や農水産品のアジア圏への輸出拡大に大きく寄与する」と期待感を示した。一方、発効時期の見通しは「できるだけ早くしたい」と述べるにとどめた。
署名したのは、日中韓やASEAN10カ国、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国。日本政府によると、協定発効はASEAN10カ国と、それ以外の5カ国の、それぞれ過半数が批准することを条件とした。交渉開始時から参加してきたインドは、対中貿易赤字の拡大懸念などを背景に離脱した。ただインドの加入を希望する国も多く、協定発効後に即時加入が可能な特別措置を設けた。
RCEP交渉は2013年に開始。今回、輸出に関し、工業製品の関税撤廃率は91・5%に上り、中国や韓国の無税品目の割合が大幅に上昇。特に、中国、韓国への輸出に関し、自動車用の重要部品などを中心に関税を撤廃する。酒類に関しては、中国が日本の清酒に課している関税が現行の40%から段階的に下がり、21年目に撤廃。韓国は現行の15%から下げ、15年目になくす。
一方、日本が輸入するコメ、麦といった農産物の重要5品目については、関税の削減、撤廃の対象外とする。関税撤廃率は49~61%と、先行する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)よりも大幅に低い水準に抑える。また、知的財産の保護をはじめ、電子商取引の促進や消費者保護の規定を設けるなど幅広い分野のルールも整備した。
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政府は15日、日本や東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国が同日署名した経済連携協定について、日本語での正式名称を「地域的な包括的経済連携(RCEP)」に決めたと発表した。これまでは暫定的に「東アジア地域包括的経済連携」と呼んできたが、正式署名に伴い、より英語名に近い表現にした。
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