東京株式相場は前日の終値を挟んで方向感の乏しい展開。米経済指標を受けて景気回復期待が弱まり、下落して取引が始まったものの売りに勢いはない。米長期金利が低下し、銀行や保険などの金融株が値下がりし、鉄鋼や商社などの景気敏感業種も安い。半面、電機やサービス、自動車、化学は高い。
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市場関係者の見方
三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジスト
- 市場全体に影響している強力な材料が見当たらない状況で、米長期金利上昇が一時期と比べるとだいぶ落ち着いてきていることが一番大きな材料
- 今は安定しているが、今週末の米国のインフレ率や来週の雇用統計データの発表があるためマーケットはまだ不透明
- 特に雇用統計は4月に市場予想を大きく下回り、5月の結果を控えて今週と来週はマーケットの変動への備えが必要だ
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員
- 米10年債利回りが低いと景気敏感株の多い日本株は上がらないだろう
- 投資家はテーパリングを織り込みにいっており、テーパリング決定までは株価反転はむずかしい
- テーパリングの議論が出てくるのは7月の連邦公開市場員会(FOMC)くらいではないか、8月のジャクソンホール会議までは日米ともに持ち合い相場の可能性が高い
東証33業種
下落率上位 | 鉄鋼、パルプ・紙、電気・ガス、銀行、石油・石炭、保険 |
上昇率上位 | 空運、サービス、電機、輸送用機器、その他製品、化学 |
背景
- クラリダFRB副議長、 テーパリング開始は今後数回の会合で協議可能
- 米消費者信頼感指数、5月は117.2に低下-市場予想も下回る
- 米新築住宅販売、4月は予想よりも減少-高価格が需要を抑制
- 米国株は小反落、インフレ兆候を材料視
- 米国10年債利回りは1.56%と4ベーシスポイント(bp)低下
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