【NQNニューヨーク=川内資子】28日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に4日続落し、前日比05銭円安・ドル高の1ドル=109円85~95銭で取引を終えた。市場予想を上回る米物価指標を受けて円売り・ドル買いが先行した。ただ、米長期金利の低下を受けて次第に円買いが勢いを増し、相場は下げ幅を縮めた。
28日朝発表の米連邦準備理事会(FRB)が重視する物価指標の4月の米個人消費支出(PCE)デフレーターでエネルギー・食品を除くコア指数は前年同月比3.1%上昇と、市場予想(2.9%上昇)を上回った。インフレ圧力の高まりを示す指標を受け、対主要通貨でドル買いが先行。円は一時110円20銭と4月6日以来ほぼ1カ月半ぶりの円安・ドル高水準を付けた。
売り一巡後は円買いが勢いを増した。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年春に物価が落ち込んだ影響で、4月分の前年同月比の数値は高く出やすかった。インフレ圧力が高まった状態は長くは続かないとの見方は多い。28日の米債券市場で長期金利は低下し、日米の金利差縮小を見込んだ円買いが入った。月末とあって、持ち高調整目的の円買いもみられたとの指摘もあった。
円の高値は109円74銭だった。
円は対ユーロで小反発し、前日比05銭円高・ユーロ安の1ユーロ=133円85銭~95銭で取引を終えた。
ユーロはドルに対して横ばい。前日と同じ1ユーロ=1.2190~2200ドルだった。米物価指標を受けてユーロ売り・ドル買いが先行したが、ユーロは売り一巡後は買い直され午後にかけて下げ幅を縮めた。
ユーロの高値は1.2205ドル、安値は1.2133ドルだった。
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