だが、コロナ禍がもたらしたこうした「変化」を詳細に見て行くと、多くは「コロナ前」からの課題であったことに気付く。コロナ禍が日本社会を変えたというより、積年の課題を可視化したというのが実情だったのだ。 夜が明けきらない今、われわれがまずすべきは、「コロナ前」に立ち返って日本が抱えていた課題を思い起こすことだ。そしてそれがコロナ禍でどう浮き彫りにされたのかを知ることである。 ■コンビニの24時間営業は破綻寸前
コロナ禍で一番大きく影響を受けて風景の変わった場所、それは〝夜の街〞だ。 飲食店は蔓延防止策として時短営業を迫られ、夜の8時、9時には閉店。与党議員が銀座のクラブに深夜まで滞在していたり、厚生労働省の官僚たち23名が午前零時近くまで宴会を楽しんでいたりという不謹慎な事例も発覚したが、多くの人たちは自粛要請に従っていた。 そのため多くの繁華街では夜の10時にもなれば、閑散とした光景が広がっていた。ついこの間まで、忘年会やクリスマスなどで〝夜の街〞がピークを迎える12月になると、深夜にタクシーを捕まえられない日があったことなど、いまや夢のようだ。
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