オンラインで決算発表する日産自動車の内田誠社長兼CEO(12日)
日産自動車は12日、2020年4~9月期の連結最終損益が3299億円の赤字(前年同期は653億円の黒字)だったと発表した。カルロス・ゴーン元会長の拡大路線による競争力低下やコロナ禍を受けた世界での販売不振が響いた。21年3月期通期は最終損益が6150億円の赤字を見込むとした。中国などでの販売復調を踏まえ、従来予想(6700億円の赤字)から赤字幅が縮小する。
午後5時から20年4~9月期の連結決算の記者会見をオンライン形式で開いた。販売復調の見通しやゴーン路線転換への構造改革の進捗などが注目され、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)らが説明した。日経電子版では内田社長らの発言をタイムライン形式で取りまとめた。
【午後5時56分】オンライン記者会見が終了した。
【午後5時55分】「日産はこんなものじゃない」
内田社長は「赤字が続いている状況だが、黒字になった時にどんなメーカーにしたいか」と問いかけられた。これに対して「(今は)財務基盤の強化と成長に注力している。その先、日産がどこに向かうのか。『ポスト日産ネクスト』、2030年にどうなっているのか説明できる場を用意したい。日産はこんなものじゃない。(日産の)ポテンシャルをお客様の価値に変えていきたい」との意気込みを示した。
【午後5時46分】米大統領選受け「今後も北米で継続的に投資・生産」
「米国で業績が回復しているが大統領選の影響はあるか。(開票動向から勝利を確実にしている)バイデン氏はグリーンエナジーへの投資を強めるとしているが(電気自動車などに強い日産に)追い風になるか」。内田社長は、この質問に対して「今までも北米で事業を続けてきた。今後も北米で継続的に投資や生産を続けていきたい。今の段階で個社の意見はここまでだ」と答えた。
【午後5時41分】「『日産ネクスト』で合理化と将来への種まき両立」
グプタCOOは「日産ネクスト」の動向について質問を受けた。「そもそも日産ネクストとは、合理化であり持続的な成長だ。合理化で我々のキャパを販売台数に合わせる必要がある。バルセロナでの生産停止など、いろいろな判断をした。合理化と並行して、将来への種まきをした。新商品投入は予定通り進んでいる。そして日産のユニークな技術、Eパワーや自動運転などもいかしている。米国では毎月生産が伸びているし満足度も高まっている。中国では明らかにコロナ(感染拡大期の)後の顧客行動が明らかに変わった。日産は事業戦略を中国に合わせている。ブランドを最大化したい」と説明した。
【午後5時30分】質疑応答が始まった。
【午後5時26分】「固定費削減、一切の妥協なく」
内田社長は「『日産ネクスト』の取り組みは着実に進んでいる。コロナなどで不透明な環境のなか財務規律を徹底する。固定費削減は一切の妥協なく進める。北米での販売正常化にも取り組む」と説明した。「2018年度対比で3000億円の固定費を削減する取り込みは順調に進んでいる」とも話した。
【午後5時25分】「販売台数は下期に前年並みに回復。ただ上期の販売減が大きい」
日産は12日、2020年4~9月期の最終損益が3299億円の赤字(前年同期は653億円の黒字)になった一方で、21年3月期の最終赤字が6150億円と見込んで従来予想(6700億円の赤字)から赤字幅が縮小するとした。内田社長は、この構図について「販売台数は下期に前年並みに回復すると見込んでいる。ただ上期の販売減がやはり大きい」と説明した。
【午後5時20分】「長期的な資金の流動性も確保した」
グプタCOOは事業を安定的に進めるための資金確保について説明。「4~9月にかけて複数の金融機関から8950億円調達した。約1.1兆円の社債(発行)で長期的な流動性も確保した」と述べた。
【午後5時15分】「世界市場、9月は前年並みに届いている」
アシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は自動車市場の動向を説明。「コロナ下のなか、グローバルで自動車市場は拡大している。9月は前年並みに届いている」と説明した。地域別では「中国では全体需要が前年を超えている。米国では9月は前年並み。日本は(前年に)届いていない」と述べた。販売動向の特色としては「中国は4月以降、前年より販売台数を伸ばしている。中国は世界でCASEをリードする国の1つ。コネクテッドカーは200万台以上販売した」と話した。
【午後5時2分】「構造改革策、着実に進行」
内田社長は冒頭、「コロナ対策に従事する全ての人に感謝したい。従業員とその家族、サプライヤーなどのステークホルダーの安全を最優先にしていく。事業を成長軌道に乗せる(構造改革策を盛り込んだ)『日産ネクスト』を発表した。それから6カ月が経ったが、着実に進行している」と話した。
【午後5時】オンライン決算会見が始まった。
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