JR西日本は27日朝、新岩国発新大阪行きの山陽新幹線こだま838号を新岩国―広島間で運転を取りやめた。新岩国駅(山口県岩国市)から乗り込む60代の男性運転士と30代の女性車掌の呼気からアルコールが検出されたが、代わりの乗務員を手配できなかったからだ。2人が飲酒を否定したため調査したところ、検知器を保管していたロッカーで消毒用アルコール液が漏れていたことが判明。漏れた液で検知器が反応したとしている。
JR西によると、検知器は新岩国駅構内のロッカーにあった。同じロッカーの斜め下の区画に車掌が乗務に使うカバンがあり、消毒用アルコールスプレーが入っていたが、その内容液が漏れていた。同じ状況を再現したところ、検知器がアルコールを検出したため、液漏れでアルコールがロッカー内に充満したことが原因とみられると結論づけた。JR西の長谷川一明社長は、原因判明前の記者会見で「お客様にご迷惑をかけ、誠に申し訳ございません」と謝罪した。
今回の運転取りやめで、新岩国駅から乗る予定だった乗客約20人は後続の新幹線に乗った。広島駅から別の列車で出発したこだま838号は予定を14分遅れて出発するなど、約300人に影響した。【高橋昌紀】
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