米製薬会社 ファイザーは、ドイツのビオンテックと共同開発する新型コロナウイルスワクチン候補の臨床試験データの最終分析で、95%の確率で有効性が示されたと発表した。週内に米当局に緊急使用許可(EUA)を申請する準備が整った。
両社の18日の発表によると、ワクチンは年齢層や人種を問わず有効で、約4万4000人が参加した治験でこれまでのところ重大な安全性の問題も生じていない。
米モデルナも今週、同社のワクチン候補の有望な試験結果を発表したほか、英アストラゼネカとオックスフォード大学も近く結果を公表する見込み。
ビオンテックのウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、同社とファイザーは遅くとも20日までの米食品医薬品局(FDA)への申請を計画していると説明。また、逐次審査を行う欧州医薬品庁(EMA)には既に申請したと述べた。
同CEOは、EMAとは「ほぼ毎日、電話や文書でやりとりをしている」とした上で、「きょう当社が得た肯定的なデータに基づけば、FDAやEMAなど全ての規制当局ができるだけ早期の審査完了を目指すと確信している」と語った。
ファイザーとビオンテックのデータによれば、被験者のうち170人が新型コロナに感染した。そのうちワクチン接種を受けたのは8人で、162人は偽薬の接種を受けた被験者だった。ワクチンは重症化を防ぐ効果も示し、重症患者10人のうち9人が偽薬グループだった。
ワクチンは65歳以上の高齢者の94%強で効果を示した。
2回目の接種を受けた人の3.8%が強い倦怠(けんたい)感を訴えたが、接種を受けた人の大半に体の変調はなかった。
みずほセキュリティーズUSAのアナリスト、バミル・ディバン氏はこの日の発表について、「ワクチンの目を見張るような効果をあらためて示す上に、その恩恵を考えると非常に理にかなった副反応だと思われる」とリポートに記した。
ファイザーとビオンテックは先週、ワクチンが90%超の確率で有効との 暫定結果を明らかにしていた。ファイザーのアルバート・ブーラCEOは17日、FDAが求める2カ月の安全性追跡データが集まったと説明した。
18日の米株式市場で ファイザー株は一時、前日比3.8%高となった。 ビオンテックの米国預託証券(ADR)は6.4%高となる場面があった。終値はファイザーが0.8%高、ビオンテックのADRは4.0%高だった。
原題: Pfizer Plans Filing as Vaccine Proves 95% Effective (2)(抜粋)
(第4、5段落にビオンテックCEOのコメントを追加して更新します)
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