【NQNニューヨーク=横内理恵】7日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続伸し、前日比50銭円高・ドル安の1ドル=108円55~65銭で取引を終えた。7日発表の4月の米雇用統計が市場予想を大幅に下回った。米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小が遠のくとの見方から主要通貨に対してドルが売られ、円買いが優勢になった。
雇用統計では景気動向を映す非農業部門の雇用者数が前月比26万6000人増と市場予想(100万人増)を大幅に下回り、3月分も大幅に下方修正された。失業率は市場予想に反して上昇した。経済対策の一環である失業給付の増額措置などを背景に職場復帰に消極的な失業者が多いとみられる。雇用回復には時間がかかるとの見方が強まり、市場で浮上していたFRRが6月にも量的緩和縮小の議論を始めるとの観測が後退した。
雇用統計発表直後には米10年債利回りが一時2カ月ぶりに1.5%を割り込み、日米金利差の縮小を手がかりとした円買いも入った。円は108円34銭まで上昇する場面があった。
円は買い一巡後はやや伸び悩んだ。米株式相場が上昇し、ダウ工業株30種平均が連日で過去最高値を更新した。米長期金利は前日比で小幅に上昇して終えた。米景気や雇用の回復基調に変わりがないとの見方が低リスク通貨とされる円の上値を抑えた。
この日の円の安値は109円28銭だった。
円は対ユーロで続落し、前日比45銭円安・ユーロ高の1ユーロ=132円00~10銭で取引を終えた。米欧株高を受け、低リスク通貨の円が売られた。
ユーロは対ドルで続伸し、前日比0.0095ドル高い1ユーロ=1.2155~65ドルで終えた。米雇用統計が市場予想を下回ったのを受け、ユーロ買い・ドル売りが広がった。新型コロナウイルスワクチン普及により、欧州景気が回復に向かうとの期待もユーロを支えた。ユーロは一時、1.2171ドルと2月末以来の高値を付けた。
この日のユーロの安値は1.2059ドルだった。
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