JTBは業績が急激に悪化した
JTBは20日、2020年4~9月期の連結決算で、最終損益が過去最大となる781億円の赤字(前年同期は43億円の黒字)になったと発表した。業績の急激な悪化をうけ、国内の店舗を統廃合などで115店舗削減するほか、早期退職や自然減などでグループ人員を全体の約2割にあたる6500人を削減する方針も発表した。コロナ禍で旅行需要が急減したことが経営を直撃している。
売上高は前年同期比81%減の1298億円。営業損益は710億円の赤字(同64億円の黒字)となった。収益の柱である国内旅行の売上高が同85%減の399億円、海外旅行も同91%減の218億円にとどまったことが響いた。
構造改革として21年度までに経費を中心にコストを約1400億円改善する。国内店舗数は19年度比で25%減らす。国内のグループ会社を統合や売却などで10社以上削減するほか、海外のグループ会社でも190拠点以上減らす。
また、現在2万9000人いるグループ人員は21年度に2万2500人まで減らす。22年度の新卒採用も見合わせることも加味して国内で2800人、海外で3700人を減らす目標だ。詳細は今後詰めるとしている。役員報酬や賞与も一時的に減らすとしている。
コロナ禍で20年初頭以降、旅行需要は急減している。足元では政府の需要喚起策「Go To トラベル」キャンペーンなどが寄与して国内の個人需要は一部で戻りつつあるが、国内の団体旅行はなお低迷が続く。世界中で感染が再拡大しており、海外旅行も回復の見通しが立たない。経費削減に取り組み、まずは黒字化を目指す。
人員削減について山北栄二郎社長は「人材は会社の財産なので、断腸の思いだ。来期は確実に黒字化する覚悟だ」と話した。
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