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農水省幹部 吉川元農相と業者の会食同席 6人の処分検討公表へ - NHK NEWS WEB

農林水産省は、収賄の罪で在宅起訴された吉川元農林水産大臣と、現金を提供し贈賄の罪で在宅起訴された大手鶏卵生産会社の元代表などとの会食に、合わせて6人の幹部職員が同席し、利害関係者である元代表側が費用を負担していたことなどを明らかにしました。利害関係者からの接待を禁じた国家公務員の倫理規程に違反する疑いがあるとして、処分を検討していて、25日夕方にも公表する方針です。

この問題は農林水産省の複数の幹部職員が、収賄の罪で在宅起訴された吉川元農林水産大臣と、現金を提供し贈賄の罪で在宅起訴された大手鶏卵生産会社の元代表などとの会食に同席していたものです。

会食は3年前の10月とおととし9月に行われ、農林水産省は参加者や誰が費用を負担したのかについて調査を行い、その結果を発表しました。

それによりますと、会食には当時生産局長だった枝元真徹事務次官のほか、歴代の局長や部長、課長の合わせて6人の現役の幹部職員とすでに退官している当時の畜産部長が同席していました。

費用は、1回当たり1人2万2000円から2万3000円余りで、いずれも利害関係者に当たる元代表側が支払っていました。

また、いずれの職員も費用は同席した政治家が負担したと認識し、その場で支払いの確認をしなかった過失があったとしています。

農林水産省は、利害関係者からの接待を禁じた国家公務員の倫理規程に違反する疑いがあるとして、退官している1人を除く6人の処分を人事院の国家公務員倫理審査会と協議していて、25日夕方にも結果を公表する方針です。

野上農相「第三者の検証委員会でしっかり検証」

野上農林水産大臣は、25日の衆議院予算委員会で、組織として贈収賄をしているという認識はあるかと問われたのに対し「農林水産省としては国民に疑念がもたれることないよう、第三者の検証委員会を設置したところだ。検証委員会でしっかり検証して結果を公表したい」と述べました。

そのうえで「鶏卵対策事業についても政策判断のプロセスを検証の対象にしている。対策の内容自体は妥当だったと思っている」と述べました。

加藤官房長官「政府全体として改めて倫理の徹底はかる」

加藤官房長官は、午前の記者会見で「国家公務員に対する国民の疑念を招く、誠に遺憾なことだ。現在、調査結果を踏まえた処分について、国家公務員倫理審査会の承認を受けるべく調整が行われており、承認を受けしだい、速やかに処分がなされるものと承知している」と述べました。

そのうえで「今回の農林水産省、また先の総務省の幹部職員において、国家公務員倫理法の違反が発生したことは、政府としても大変重く受け止めている。政府全体として改めて倫理の徹底をはかり、国家公務員が国民全体の奉仕者として高い倫理観を持って職務に精励するよう努めたい」と述べました。

立民 辻元副代表「接待内閣だ」

立憲民主党の辻元副代表は、記者団に対し「総務省も接待だし、農水省も接待で、接待内閣だ。いい加減にしてほしい。接待を平気で受けるという体質なのか」と批判しました。

立憲民主党の泉政務調査会長は、記者会見で「政権の緩みが生じているのではないか。菅総理大臣は、問題が相次いでいることを踏まえ、総務省や農林水産省にとどまらず、全省庁に対し、利害関係者との飲食に関する調査を指示するべきではないか」と述べました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「かなりの幹部が接待を受けていて、額の多寡にかかわらずあってはならないことだ。枝元事務次官とほかの幹部は予算委員会に出席して経緯を説明すべきだ。農林水産業を本当に真面目にやっている人たちの上に立つ役所のやることなのか、徹底的に追及していきたい」と述べました。

公明 山口代表「緩んだ綱紀引き締めて」

公明党の山口代表は、党の中央幹事会で「総務省に加え、きょうも農林水産省の問題で処分がなされている。ルールがある以上、ルールにのっとった綱紀の徹底を実行しなければならない。緩んだ綱紀を引き締めて、国民の期待に応えていくことが必要だ」と述べました。

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