[ワシントン 23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日の上院公聴会で、新型コロナウイルス禍からの景気回復に向けた方策について語る中、時代遅れとなった経済学の定説を捨てるFRBの姿勢も垣間見せた。
パウエル氏は、FRBは失業率ではなく、就業者数に注目し、就業者の増加を目指すと説明。インフレについてはすぐには問題にならないと指摘した。
民主党のマーク・ワーナー上院議員が国内インフラに「大規模投資」を行う必要性について質問すると、パウエル氏は「私が想像できる限り、現時点で問題ではない」と回答。政府の多額の借り入れが物価を押し上げるという典型的な懸念には取り合わなかった。
また、FRBがかつて注目し、現金などの通貨供給量の重要指標とされたマネーサプライはもはや関係ないと発言。同じ60代後半の共和党のジョン・ケネディ上院議員に対し、「大昔にわれわれが経済学を勉強したころはM2と通貨供給量が経済成長に関係するとみられていた」とした上で「現在ではM2に重要な意味合いはない。この知識は忘れる必要がある」と述べた。
FRBや経済学の分野では最近、経済に関する従来の定説を捨て去る動きが目立つ。FRBはすでにコロナ流行前から、失業率の低下がインフレ率の上昇につながり、失業率とインフレ率が逆相関の関係にあるという従来の見解の見直しを図っていた。
失業率は、失業者を就業者と求職中の失業者の合計で割った数字だ。その分母には引退した人やコロナ禍で家族の世話のために仕事を辞めた女性など労働市場から離れた人々は含まれず、その点で失業率は時代遅れの指標かもしれない。
パウエル氏は、FRBが最近、雇用の最大化という目標を考える際には失業率だけでなく、雇用率にも注目していると述べ、「高水準の労働参加率」を目指していると語った。
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