米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、金融当局として米経済への支援を弱める時期からは程遠いとの認識を示唆した。その上で、年内に経済活動の正常化と改善が進むことへの期待感を表明した。
議長は23日、上院銀行委員会で証言。事前に準備された原稿によれば、「経済は金融当局の雇用と物価の目標達成からは程遠い状況にあり、一段と顕著な進展を遂げるまでにはしばらく時間がかかりそうだ」と述べた。
金融当局は現在、月額1200億ドル(約12兆6140億円)のペースで債券を購入しており、最大限の雇用と物価安定に向けて「一段と顕著な進展」が見られるまで同ペースでの購入を継続すると表明している。
パウエル議長は「現在直面する厳しい状況を過小評価すべきではないが、年内の見通し改善も示唆される」と指摘。「特に現在も見られるワクチン接種の進展が、活動正常化のスピードを速める上で助けとなろう」と語った。
一方、「高失業は低賃金労働者のほか、アフリカ系米国人やヒスパニック系などマイノリティーの間で特に深刻だ」とし、「経済的混乱は多くの人の生活を一変させ、将来に対する多大な不透明感を生み出した」と指摘した。
パウエル議長は、「経済の回復は引き続きむらがあり、完了からは程遠い。今後の道筋は極めて不透明だ」と述べた。
原題: Powell Signals Fed to Keep Buying Bonds Even as Outlook Improves(抜粋)
(議長の発言を追加し、更新します)
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