日産は、次世代「e-POWER」向け発電専用エンジンで、世界最高レベルの熱効率50%を実現する技術を2021年2月26日に発表しました。現在、自動車用ガソリンエンジンの平均的な最高熱効率の限界は40%台前半が限界とされていましたが、日産が実現した熱効率50%はエンジン開発において革新的なものだといいます。
日産が究極のエンジンを開発! 内燃機関は新たなステージに突入か
日産がカーボンフリーに至るまでの技術発表会をおこなった。概要を紹介すると、電気自動車の開発と並行してe-POWERの技術を磨くというもの。
具体的には今より25%くらい燃費を向上させられる熱効率50%のe-POWERを発表し、100%電気自動車の時代になるまでのリリーフとして投入するという。以下詳しく説明したい。
御存知の通り欧州は2025年のノルウェーを皮切りに、2030年から世界規模でエンジン搭載車の販売を規制していく。
2040年になればフランスなど最後までエンジン搭載車の販売を認めていた国も電気自動車だけになります。
日本は2050年に「カーボンフリー=ガソリンの販売を終了する」ということなので、2035年くらいから事実上電気自動車になる。
ヨーロッパの自動車メーカーを見ると、現在のガソリン車からフルハイブリッドを経由せず、直接電気自動車に移行しようという戦略をたてているようだ。
一方、日本勢は2030年あたりから始まる電気自動車の本格的な普及の前に、燃費の良いフルハイブリッドを「繋ぎ」として導入しようと考えてます。良い狙い目だと思う。
トヨタは得意のハイブリッドシステム「THSII」の進化でフルハイブリッドのど真ん中を進む。
そんな状況のなか、日産はe-POWER技術を磨いていきます、というのが今回の技術発表の要旨です。
日産によれば、いくつかのステップがあるようだ。最初の一歩は2021年2月18日に欧州市場向けに発表したクロスオーバーSUVの新型「キャシュカイ」。平均走行速度の高い欧州の道路事情で通用する高出力e-POWERの実用化だという。
現在、日本で販売している1.2リッターのe-POWER、連続して走れる上限速度は車種によっても違うけれど130km/h程度。しかも高速域になると燃費が極端に落ちてしまう。
欧州で走らせると燃費悪くて遅いクルマになる。だから1.2リッターのe-POWERを欧州で販売していない。というか、日本だけしか通用しないと考えていい。
新型キャシュカイに搭載される新しいe-POWERの発電用エンジンは1.5リッター3気筒ターボで154馬力。これだけパワーあれば「エクストレイル」級のボディを180km/hくらいで巡航させられる。
しかも熱効率の高いエンジンになっているため、130km/hくらいまでなら燃費の良いトヨタのハイブリッドと同等以上の実燃費になるという。
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