アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長が、議会で証言し「完全な景気回復にはほど遠い」と述べて、今の大規模な金融緩和策を当面継続する方針を示しました。
23日、議会上院の委員会に出席したパウエル議長は、景気の現状について「ことし後半に経済が正常な状態に戻るという期待が出てきているが、景気回復には依然としてばらつきがあり、完全な回復にはほど遠い」と述べました。
そのうえで「雇用と物価の安定に力を入れていく」と述べ、今の大規模な金融緩和策を当面継続する方針を示しました。
アメリカでは消費や製造業の統計が上向きで、金融市場には、ワクチンの接種が進むことで経済活動が正常に向かい、FRBが去年3月から導入している大規模な金融緩和策がことし中に縮小されるのではないかという見方も出てきています。
パウエル議長の今回の発言は、景気の先行きは雇用の回復を含めて依然不透明だとして、そうした見方はあたらないとの考えを示したものとみられます。
ただ一部の議員からは、暗号資産や不動産価格が上昇している現状について、過度な金融緩和がバブルを招きつつあるのではないかという指摘も出されました。
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