米食品医薬品局(FDA)は27日、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発した1回の接種で済む新型コロナウイルスワクチンの使用を承認した。世界初。アメリカではこれで3種類のワクチンが使えることになる。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは1回の接種で完了する上、冷凍ではなく冷蔵保管が可能なため、米ファイザー製や米モデルナ製のワクチンに代わる、費用対効果が優れた選択肢になり得る。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは3月末までに2000万回分を供給する方針という。米政府とは、6月末までに接種1億回分を提供することで合意している。イギリスが3000万回分、欧州連合(EU)が2億回分、カナダが3800万回分、それぞれ発注済。貧しい国々にもワクチンを行き渡らせるための国際的枠組み「COVAX」を通じての注文は、5億回分という。
アメリカ、南アフリカ、ブラジルで実施された治験では、重症化の予防効果は85%超で、中等症を含むと、予防効果は66%だったという。ワクチンを受けた治験参加者の間に死者はなく、ワクチン接種から28日間で入院した人もなかったことが、注目されている。
ウイルスの変異株が主流となっている南アフリカとブラジルでは、アメリカと比べて予防効果は低かったものの、重症化への予防効果は「同じくらい高かった」という。
アメリカの状況は
アメリカでは1日約130万回の接種が連日行われており、すでに約7280万人がワクチンを受けた。ジョー・バイデン大統領は就任100日以内に接種1億回を実施すると公約している。
新型コロナウイルスによるアメリカの死者は50万8000人を超えているが、最近では新規感染者や入院を要する感染者、死者の数がいずれも減り続けている。
ただし、複数の専門家はウイルスの変異株による影響拡大を懸念し、感染対策の継続を呼びかけている。
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