大韓航空(KAL/KE)は現地時間11月16日、アシアナ航空(AAR/OZ)を1兆8000億ウォン(約1700億円)で買収すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、韓国の2大航空会社が統合される。大韓航空は「路線網、航空機、供給規模などの主要指標で、世界の超大手航空会社との競争に打ち勝つための基盤を築くことができる」としている。
発表によると、韓国産業銀行(KDB)が第三者割当増資などにより、大韓航空の親会社である韓進KALに8000億ウォンを投じ、韓進KALは大韓航空の2兆5000億ウォンの増資を引き受ける。大韓航空は調達する資金で、1兆5000億ウォンに相当するアシアナの新株を取得する。
アシアナの買収が実現した場合、大韓航空は輸送規模で世界トップ10圏内に入るとしている。IATA(国際航空運送協会)の航空輸送実績によると、2018年の有償旅客を運んだ距離を示すRPK(有償旅客キロ)は、1位がアメリカン航空(AAL/AA)、2位がデルタ航空(DAL/DL)、3位がユナイテッド航空(UAL/UA)と米国大手3社が並び、6位が中国南方航空(CSN/CZ)、7位がライアンエア(RYR/FR)、8位が中国東方航空(CES/MU)、10位がルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)だった。大韓航空は29位、アシアナは41位で、統合後は16位のキャセイパシフィック航空(CPA/CX)、19位のシンガポール航空(SIA/SQ)、22位の全日本空輸(ANA/NH)を上回るとみられる。
大韓航空は「人口1億人以下の国は、ほとんどが1社体制だ」として、韓国のフルサービス航空会社(FSC)が統合されることにより、海外の主要航空会社との競争で劣勢を挽回できるとしている。また、統合により路線の合理化やコスト削減による競争力向上も期待できるという。
ハブ空港である仁川国際空港の発着枠シェア拡大に伴い、他の航空会社とのジョイントベンチャー(共同事業)を拡大し、乗り継ぎ需要の取り込みを狙う。これにより、仁川の旅客と貨物のハブ空港としての競争力が高まり、アジアを代表するハブ空港としての仁川の存在感が高まるとしている。
・大韓航空、中部へ旅客便 13日、新型コロナ後初の韓国到着便(20年11月12日)
・アシアナ航空、中部再開27日に延期 12月は週1往復(20年11月12日)
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