新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、今年も年の瀬を迎え、26日からは帰省が本格化した。移動の自粛呼びかけなどにより、帰省や旅行を控える人が多いとみられ、例年は家族連れで混雑するターミナル駅は閑散とし、「静かな年末年始」のスタートとなった。
26日午前のJR東京駅。新幹線ホームを歩く人は少なく、家族連れの姿もまばらだった。
東京都江東区の会社員女性(25)は、広島県の実家に帰省するため、数週間前から人との飲食を控え、食材などの買い物もネットスーパーを利用してきたという。女性は「座席もできるだけ人が少ないところを選んだ。実家で両親とゆっくりしたい」と語った。
京都に帰省する妻と子供をホームから見送った豊島区の男性(47)は「出勤で人と接する機会が多いので、今年は留守番することにした」と寂しそうに話した。
JR各社によると、新幹線指定席の予約席数は例年と比べて大幅に減っている。大幅な減便をすると混雑するおそれもあるため、運行本数は減らしていないという。
午前10時現在の自由席の乗車率は、東北・山形、上越、北陸各新幹線の下りで10~30%にとどまったほか、東海道新幹線でも、東京発博多行き「のぞみ1号」の60%が最高だった。昨年の同時期(12月28日)では、乗車率は最大180%に達していた。
帰省の足として人気の長距離バスも、今回の年末年始は利用者減が見込まれている。
ジェイアールバス関東(東京都)では、すべての車両に4分で車内の空気が入れ替わる空調をつけるなどして、感染予防対策に取り組んでいるが、東京と京阪神を結ぶ路線の予約状況はふるわない。そのため、年末年始は、バスの本数を前年比の5~6割減らして運行する予定だという。
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