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地銀再編、コロナ禍で加速へ 広域連合、異業種提携が先行―政府・日銀も圧力 - 時事通信ニュース

2020年12月28日07時19分

【図解】9月以降の地銀再編の動き

【図解】9月以降の地銀再編の動き

 2021年は地方銀行の経営統合・再編が加速しそうだ。再編論者である菅義偉首相の就任後、広域連合や異業種提携が続出、福井銀行は同じ福井市内に本店を置く福邦銀行を子会社化する方向で最終調整に入った。政府と日銀もそれぞれ経営統合などを促す制度を準備。超低金利の長期化や新型コロナウイルス禍で経営環境が一段と厳しくなる中、再編圧力は日増しに強まっている。

菅首相、地銀再編強制せず 「環境はつくった」―自主性尊重に方針転換・内情講演

 地銀の収益は、日銀のマイナス金利政策や人口減少を背景に細り続けてきた。さらにコロナ禍で取引先企業の貸し倒れに備えた与信関係費用が増加、業績悪化に拍車が掛かっている。首相は就任前の9月、地域経済の下支えのため地銀の基盤強化が必要だとして「(地銀の)数が多過ぎる」と語り、再編推進に意欲を見せた。
 これが号砲となった。10月には静岡銀行山梨中央銀行が包括提携。前橋市の東和銀行や仙台市のじもとホールディングス(HD)は、インターネット金融大手SBIホールディングスとそれぞれ資本業務提携を決めた。群馬銀行は、千葉銀行などの広域連合「TSUBASAアライアンス」への参加を表明。業務を共同化し経営基盤を強化する「機能統合」が勢いを増す。
 一方、福井銀は福邦銀を傘下に収める形の資本提携を来年1月にも発表する。持ち株会社方式よりも、規模で勝る福井銀が福邦銀の改革を主導する方が効率化が進めやすいと判断したようだ。青森県では青森銀行みちのく銀行の統合観測も浮上している。
 「外堀」は着々と埋まる。首相は今月24日の講演で「政府が強制的にやることではない」と地銀の自主性を尊重する姿勢を見せたが、11月には合併しやすくなる独占禁止法の特例法が施行。金融庁も地銀に「(健全性を示す)自己資本比率を8%以上に保つよう強く要求している」(関係筋)という。業績悪化が続けば、統合などの経営判断を迫られかねない情勢だ。
 その一方、政府はシステム統合費用の補助といった「アメ」も用意。日銀も経営統合や経費削減を進めた地銀に対し、当座預金の金利を上乗せする異例の制度を来年3月に始める。政府・日銀が硬軟を織り交ぜ再編を促す中、21年は小規模な地銀を中心とした動向が焦点となる。

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