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大阪市で、アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの集団接種が始まった。 9月から、東京都でも接種が始まる。 大阪城公園にある城見ホールでは、原則40歳以上の大阪市民を対象に、アストラゼネカ製ワクチンの集団接種が始まった。 国は、大阪や東京など6つの都府県に、アストラゼネカ製ワクチンを重点的に配分している。 この会場では1週間あたり、およそ3,700人の接種が行われる予定で、今週の予約は、受け付け開始から1日半で埋まったという。 接種した人は、「(ほかのメーカーの)申し込みしてたんですけど、なかったんですよ。それでやっと(予約が)取れて。早く打ちたい、それだけ」、「(副反応は)やっぱりちょっと気にしましたね。リスクより、打ってる方が安全かなと思って」などと話した。 アストラゼネカ製のワクチンは、1回目の接種から原則8週間後に、2回目の接種が行われる。 また、東京都は9月1日から、都庁北展望室の大規模接種会場で、アストラゼネカ製のワクチン接種を開始すると発表した。 23日から予約を受け付けている。 このニュースについて、アメリカの大学病院で新型コロナウイルスと向き合っている、内科医の山田悠史先生に話を聞いた。 三田友梨佳キャスター「アストラゼネカ製のワクチンと、すでに接種が行われている2種類のワクチンとの違いにおいて、わたしたちが押さえておくべきことは、どんなことがありますか?」 マウントサイナイ大学病院勤務・山田悠史医師「アストラゼネカ製のワクチンはウイルスベクターワクチンと呼ばれるもので、ファイザー、モデルナのものとは少し仕組みが異なります。そこから生まれる大きな違いとしては、冷凍保存が不要で管理が容易であることが挙げられます。また、過去に別の感染症で使用経験がある点も挙げられるかと思います。有効性についてですが、現在流行しているデルタに対しては67%の発症予防効果を報告している論文があり、ファイザーのワクチンと比較するとやや劣るかもしれませんが、ワクチンの有効性は重症化予防効果や命を守る効果なども期待できますので、十分価値のあるワクチンだと思います」 三田キャスター「気になるのが副反応なんですが、どう考えればよいのでしょうか」 マウントサイナイ大学病院勤務・山田医師「ファイザーやモデルナのワクチンと同様、接種部位の痛みや発熱といったものが副反応として見られる場合がありますが、これまで報告されている頻度は、既存のワクチンよりも少し少ない傾向にあるかもしれません。一方で、まれに見られる重い副反応として、血小板減少をともなう血栓症という病態が知られていて、数十万人に1人程度の割合で起こると報告されています。これは、ファイザーなどのワクチンでは報告されていない副反応ですので、アストラゼネカのワクチンを含めたウイルスベクターワクチンに共通した副反応と考えられています。確かに起これば重度の副反応なんですが、頻度が低いために、接種対象となる方ではワクチンのメリットがそのリスクを上回ると考えることができます。また、この副反応の認知が広がっていて、治療法なども知られてきていますので、そういった点は安全性を高めてくれる大きなポイントだと思います」 三田キャスター「これで、日本で接種が行われているワクチンは3種類となりました。このことについては、どう受け止めればよいのでしょうか」 マウントサイナイ大学病院勤務・山田医師「アストラゼネカのワクチンは、原則40歳以上の方と年齢制限がついていますけれども、対象となる方にとっては、これもよい選択肢になると思います。接種の機会が回ってきたら、あまり種類にこだわらずに接種をご検討いただくという姿勢でお待ちいただければ良いのではないかと思います」 三田キャスター「アストラゼネカ製のワクチンは、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンにアレルギーがある方、アナフィラキシーの既往のある方にとっては、特に大事な選択肢になると思います。選択肢が増えるというのはとても意義のあることだと思いますし、ワクチン接種が加速していくことが期待されます」
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