17日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、2万6000円を超える展開か。16日に米バイオ製薬のモデルナが開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチンに関して良好な試験結果を発表。感染の収束で迅速な経済回復への期待が高まったとして米国株式相場は大幅高となり、ダウ工業株30種平均が2月に付けた過去最高値(2万9551ドル)を上回る2万9950ドルで終えた。東京市場でもこの流れを引き継いで買いが先行しそうだ。取引時間中に2万6000円を超えれば、1991年6月3日以来およそ29年ぶりとなる。
米モデルナが16日、コロナワクチンの最終治験で「94.5%の有効性が初期データから得られた」と発表。数週間以内に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する方針という。米ファイザーに続きワクチン開発の前進を示すニュースにより経済の正常化が進むとの期待が強まり、同日の米ダウ工業株30種平均は節目の3万ドルの大台まであと50ドルに迫った。日本政府はモデルナやファイザーとワクチン供給を受ける契約で基本合意しており、日本でもワクチン期待から投資家のリスク選好度が高まりそうだ。
ただ日経平均は11月に入って16日時点で2929円(12.8%)高と急ピッチで上昇を続けている。心理的な節目の2万6000円を超えた局面では高値警戒感から利益確定売りも出て上値を重くしそうだ。17日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は続伸。12月物は前日の清算値と比べ70円高い2万6060円で終えた。
個別銘柄ではリクルート(6098)に注目が集まりそうだ。16日に発表した2021年3月期通期の連結純利益予想(国際会計基準)が市場予想を下回った。日本時間夜には米国で10月の小売売上高と鉱工業生産の発表が予定されている。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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