欧州中央銀行(ECB)は緊急対策の債券購入と銀行への長期資金供給が追加金融緩和の主要なツールだと考えている。ラガルド総裁が11日述べた。
総裁はECBの年次フォーラムで、「あらゆる選択肢が協議の対象ではあるが、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)と条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)は現在の環境での効果が証明されており、新型コロナウイルスの感染拡大状況に合わせてダイナミックに調整することが可能だ」と説明。「従ってECBが金融政策を調整する上で、これらが引き続き主要なツールとなる公算が大きい」と述べた。
新型コロナの感染急拡大で各国が制限強化を余儀なくされ、ユーロ圏経済の見通しはここ数週間に大きく悪化した。夏季には予想以上の回復を果たしたが、それがリセッション(景気後退)の二番底につながる恐れも指摘される。ラガルド総裁は、今後の回復は不安定になる公算が大きいと警告した。
ECBは12月会合で、PEPPの規模を1兆3500億ユーロ(約170兆円)から拡大すると広く予想されている。TLTROに変更を加えると見込むエコノミストも多い。ラガルド総裁は、政策による支援は金融緩和の度合いと並んで期間も重要だと強調した。
ラガルド総裁は、新型コロナの「ワクチンに関する最新のニュースは期待できるように思われるが、免疫が広範囲に獲得されるまではまだ、感染拡大の加速と制限強化が繰り返されるだろう」との見方を示し、「回復は一直線にはならず、むしろ不安定で停止と再開を繰り返しつつ、ワクチンの普及ペースに左右されるだろう」と述べた。
ECBの年次フォーラムは例年ならポルトガルのシントラで開かれるが、今年は新型コロナのためオンラインで行われている。
原題: Lagarde Says Next Stimulus to Rely on Emergency QE, Bank Loans(抜粋)
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