新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた飲食業界を支援する「Go To イート」事業で、ポイントが付与される飲食店のオンライン予約が14~15日、大手サイトで相次いで終了した。10月1日の事業開始から予約が延べ5千万人以上に膨らみ、国の予算が上限に達したためという。感染状況が悪化する中で、店側は「この先どうなるのか」と不安を口にし、一方で、制度を活用してきた利用者からは「もう一度復活を」との声が上がった。
農林水産省によると、事業の予算額は616億円。予約サイトを通じた飲食に次回以降に使えるポイント(昼食500円分、夕食千円分)が付与される仕組みだった。開始当初の付与額は1日当たり6億~7億円分だったが、10月下旬ごろからペースが加速し、11月上旬には1日当たり約17億円分になった。農水省は13日、「近日中に予算が上限に達する」として、付与が近く終わると公表した。
これに伴い、大手サイト「ぐるなび」は14日午後5時59分に、「ヤフー!ロコ」は同日午後3時にそれぞれ予約を終了。「ホットペッパーグルメ」も15日午前2時で終わった。他のサイトも近日中の終了を告知している。
予約終了の動きに対し、東京都千代田区にある居酒屋の男性店長(57)は「(コロナ禍で減っていた)お客さんがようやく戻りだしてきたところ。忘年会も大人数でできないような状況下で、事業が終わったらこの先どうなるのか見通せない」と声を落とした。また、予約を5~6回利用した女性会社員(43)は「ポイント目当てに知らない店も調べて行ってみたりと、いろいろ楽しめた。コロナが再び拡大し、終了はいいタイミングかもしれないが、また復活してほしい」と話していた。
農水省によると、付与されたポイントの大半は未利用で、最長で来年3月末の期限までに消費されるかどうかは不透明という。使われなければ失効し、余った予算は国庫に返納される可能性がある。
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