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不正発覚後の「東芝」、経営危機から「V字回復」させた新社長の手腕 - 現代ビジネス

ジャーナリストの大塚英樹氏は1000人以上の経営者と対話を重ね、トップのあるべき姿を模索してきた。たどりついた結論は「胆力」こそが経営トップの絶対条件ということだ。

大塚氏の最新刊『成長する企業トップの成功戦略を解明する ニューノーマル時代を乗り切る経営』(講談社ビーシー/講談社)には、その条件を満たすリーダーたちが登場する。金融業から製造業へ。異なる分野から転身を果たした車谷暢昭・東芝社長CEOの「胆力」はどのような局面で発揮されてきたのか。

短期連載の第5回は、巨大企業の再建を託されたトップの「覚悟」を見つめる。

バンカーから経営危機の製造業へ転身

私は、拙著『会社の命運はトップの胆力で決まる』(講談社)で、胆力は経営トップの絶対条件であると書いた。継続するには昨日と同じではいけない。過去の自分を否定し、過去の成功体験を否定し、前任者を否定し、創業理念を除いて会社のあり方を否定する。変化するビジネスシーンにおいて、変わり続けない限り継続はできない。
それはつまり、過去、常識、慣習を覆し、イノベーションを継続して行うことに他ならない。それができる人材こそ「経営者」であり、その源は「胆力」にあると私は考える。

その点、車谷暢昭は、「胆力」のある経営者である。三井住友銀行副頭取から、英投資ファンド日本法人会長に転身後、1年も経たないうちに、東芝からの招聘に応じ、会長就任を決心した。金融業と製造業では“水と油”。まさに覚悟の転身と言える。

撮影/中村介架

当時、東芝は2015年発覚の不正会計や17年の米原発事業の巨額損失で経営危機に陥っていた。そんな中、18年1月、車谷は、東芝社長の綱川智、東芝指名委員会委員長の池田弘一(アサヒグループホールディングス相談役)などから、「会長を引き受けて欲しい」と切望されたのだ。

車谷は1980年、東京大学経済学部卒業後、三井銀行(現三井住友銀行)に入行、経営企画畑を歩み、07年三井住友銀行執行役員、15年同行副頭取を歴任後退任する。17年5月、欧州最大のプライベートエクイティファンド、英CVCキャピタル・パートナーズ日本法人会長に転身する。

車谷が東芝会長への招聘を受諾したのは、東芝の再建は日本の製造業の再建に等しい、つまり、「世のため、人のため」の仕事に関われるのなら挑戦しなければならない、という「使命感」からだった。

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