今日の日本の自動車市場について、改めて認識させられるのは、5ナンバー車の需要がいかに多いかである。 【写真】日産の新型ノートも5ナンバー車だ 昨年1年間の新車販売で、ベスト15のうち10台が5ナンバー、もしくは5ナンバーを基にしながら3ナンバーも含む車種であった。これに軽自動車を含めると、5ナンバー需要はなお圧倒的強さを持っているといえるのではないか。 それであるのに、大衆車として5ナンバーを維持してきたトヨタ自動車「カローラ」が、現行でついに3ナンバー化した。
ただし、プリウス同等の大きさに抑えることで、昨年の新車販売で堂々の3位を得ている。これには、車種を限定しながら前型の5ナンバー車も併売したことも関わっているだろう。また、3ナンバーのハイブリッド車(HV)であるトヨタ「SAI」から現行カローラのHVへ買い替えた世帯が拙宅近くにいる。増減を取り混ぜながら、カローラというブランドの強さが表われているといえる。 ■なぜ新車が次々3ナンバー化していったのか
それでもなお、14位のトヨタ「アクア」が、2011年の誕生から10年近くを経ているにもかかわらず、月販5000台近くを売り続けているのだから、単に新車効果、SUV効果というだけでなく、5ナンバー車に根強い人気があることは間違いないだろう。 それにしても、なぜ、新車が次々に3ナンバー化していったのか。 現在も継承される小型乗用車(5ナンバー車)の規定は、1960(昭和35)年の道路運送車両法によって定められた。車体全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下で、搭載するガソリンエンジンの排気量は2000cc以下である。
ただし、ディーゼルエンジンは排気量を問わない。今日のディーゼルターボが普及する前は、ディーゼルといえば力はあるが、伸びがなく、高速走行に向かなかったので、排気量をより大きくすることを許したのだ。 クルマの区分そのものは、戦前の1933(昭和8)年に始まっている。それらの区分は、運転免許証の資格とも関係していた。当時の小型運転免許証は、学科試験と技能試験なしに交付された。ただしその小型車とは、今日の超小型モビリティーのような乗用車である。
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