川崎重工業は10月29日、2020年度第2四半期累計(4~9月)の決算を発表した。それによると、売上高が6573億円(前年同期比10.8%減)、営業損益が218億円の赤字、当期純損益が272億円の赤字と、惨憺たる決算だった。
その理由は言うまでもなく新型コロナウイルスの感染症拡大の影響をもろに受けたためだ。営業損益が前年同期の86億円の黒字から305億円悪化して営業赤字に転落したが、コロナ影響はマイナス351億円だった。
「そのうち航空宇宙が65%、モータサイクル&エンジンが15%を占めている。ただ、7~9月のコロナ影響は航空以外のセグメントでは、第1四半期と比較して大幅に減少している」と山本克也副社長は説明する。
航空宇宙セグメントは売上高が前年同期より823億円減の1685億円、営業損益は335億円減少して238億円の赤字。防衛省向けや民間航空機向け分担製造品、民間航空エンジン分担製造品が大幅に減少し、減収減益となった。民間航空機向け分担製造品の売上機数は前年同期に比べて52機も減った。
モーターサイクル&エンジンについては、売上高が前年同期に比べて74億円減の1397億円、営業損益は18億円減少して51億円の赤字。これは新興国向け2輪車の販売台数が前年同期の158万台から84万台と大きく減少したのが主な要因で、そのうえ為替レートが円高に推移したのが響いた。
そのほか、船舶海洋と車両のセグメントも、それぞれ14億円、1億円の営業赤字で、営業黒字を達成したのはエネルギー・環境プラント(44億円)、精密機械・ロボット(34億円)の2つのセグメントだけだった。
「このように売り上げ、損益ともに大幅な落ち込みを見せているが、第3四半期以降は改善していくと見込んでいる。それから下期に当社の利益が偏重する傾向があることから、コロナ影響は引き続き残るものの、下半期では若干の黒字を見込んでいる」と山本副社長は強調する。
そこで、通期の業績見通しを売上高を8月6日の公表時より400億円増の1兆5000億円(前期比8.6%減)、営業損益を100億円増の200億円の赤字(前期は620億円の黒字)に上方修正した。また、公表を控えていた当期純損益を270億円の赤字にし、期末配当についても無配にする。その結果、年間配当が19年ぶりに無配に転落することになった。
川崎重工と言えば、「事業部あって本社なし」と言われるほど各部門間の身内意識が強く、これまで何度も社内抗争を繰り返したが、今回のピンチをチャンスに変えて、社内一丸となって黒字を達成し、早く復配をしてもらいたいものだ。
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