日産自動車の新型コロナウイルス感染による販売低迷からの回復が遅れている。世界的な半導体不足の影響も重なって同社は9日、今期(2021年3月期)の世界販売台数計画を15万台引き下げた。コスト削減効果で通期の業績見通しは上方修正したが、持続的な成長には疑問符も残る。

横浜市の日産本社(1月25日)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
日産は同日、通期の世界販売台数計画を401万5000台へ従来の416万5000台から引き下げた。日本が従来見通しから7.4%減少するのをはじめ、すべての地域で減らす計画だ。
販売低迷の背景には新型コロナの影響に加えて世界的な半導体不足の問題もある。日産は主力市場である米国のミシシッピ州キャントン工場のトラック生産ラインから生産調整に着手、国内でも追浜工場(神奈川県横須賀市)で1月に新型を投入したばかりの主力小型車「 ノート」を減産するなど影響が広がっている。
販売計画の引き下げに伴って通期の売上高は従来見通しから2400億円引き下げた。通期の営業利益予想を570億円押し下げる要因となるが、販売や生産面の効率化などで相殺して今期の営業損失や純損失幅は縮小する見通しでコストカット頼みの収益構造となっている。
10-12月期の営業損益は前年同期比19%増の271億円の黒字となり、4四半期ぶりに黒字転換を果たした。ブルームバーグが事前に集計した市場予想の平均値468億円の赤字を大幅に上回った。米国で大幅に減益となる一方、アジア事業が同44%増と全体をけん引した。
日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は9日の会見で、事業構造改革の取り組みは着実に進展しているとし、「モメンタムは継続している」と述べた。
日産の決算概要 |
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通期見通し
10-12月期実績
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一方、同日に決算を発表した ホンダも半導体不足の影響で通期の販売台数計画を10万台引き下げた。コストダウンや研究開発の効率化などで通期の利益見通しは大幅に上方修正し、純利益は従来予想の前期比14%減の3900億円から同2%増の4650億円とプラス成長に戻ると見込んでいる。
半導体不足の影響についてホンダの倉石誠司副社長は今年前半に解消するとみており、来期には影響しない見通しだと述べた。日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は前提条件によって変わるとした上で、今年の5月か6月には改善するとの見方を示した。
米 アップルが日本を含む複数の自動車メーカーに電気自動車(EV)生産を打診しているもようとの報道については、ホンダの倉石副社長がテレビや新聞を通じてしか情報がなくコメントを控えるとした。
一方、日産の内田社長は「従来の自動車産業の枠を超えた新分野や領域の活動が必須」と思っているし、新たな企業による自動車分野への参入は十分あり得るとした上で日産としても「チャレンジを続けていきたいと思っている」と述べた。
(決算の詳細を追加して更新します)
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