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欧州中央銀行(ECB)の前総裁、マリオ・ドラギ氏は、イタリアのマッタレッラ大統領からの組閣要請を受諾した。新政権は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と深いリセッション(景気後退)という2つの緊急課題に取り組むことになる。
欧州をソブリン債危機から救う上で重要な役割を演じたドラギ氏は3日、大統領府を訪れ要請を受け入れた。受諾の発表後ドラギ氏は「パンデミックを克服しワクチン接種を完了させ、市民の日々の問題に解決策を提供し、イタリアを再生させることが、われわれが直面する課題だ」と語った。
ドラギ氏(73)は各政党の指導者らと面談し、議会で可能な限り大きな過半数を得られる連立政権を樹立したい考え。コンテ首相は第3次内閣の発足を目指したが各党派の合意を取り付けられず、マッタレッラ大統領はドラギ氏に組閣を託した。現在の危機の中で前倒し総選挙を行う余裕はないと大統領は警告していた。
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ドラギ氏は、イタリアには欧州連合(EU)の後ろ盾という「際立ったリソースがある」とし、政党指導者らとの協議から結束の機運が生まれると確信しているとも述べた。
イタリア10年債利回りは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.57%。一時は0.54%まで下げた。ドイツ債とのスプレッドは一時、5年ぶり低水準の102bpまで縮小した。
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ドラギ氏はコンテ政権で2番目の勢力だった中道左派の民主党や親欧州の中道派の支持を期待できる。ベルルスコーニ元首相率いる中道右派のフォルツァ・イタリアもドラギ氏を支持する可能性がある。議会の最大勢力である「五つ星運動」はドラギ氏支持に否定的だが、党内で意見が分かれ一部が支持に回ることもあり得る。
ドラギ氏の首相指名が承認されれば、ワクチン接種を含めた新型コロナ対策と景気浮揚が主な課題となる。コンテ政権崩壊の引き金となった欧州連合(EU)復興基金から得られる資金の活用方法も争点になる。
エコノミストであるドラギ氏は2012年の「何でもやる」発言で有名。ECB総裁としてユーロ圏の量的緩和(QE)を開始し、それが新型コロナ対策のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)に発展した。19年に総裁を退任した。
原題: Ex-ECB Chief Draghi Accepts Mandate to Form Italy Government (3)、 Ex-ECB Chief Draghi Accepts Mandate to Form Italy Government (2)、 Ex-ECB Chief Draghi Accepts Mandate to Form New Italy Government(抜粋)
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