【NQNニューヨーク=川内資子】26日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、前日比50銭円安・ドル高の1ドル=109円65~75銭で取引を終えた。一時109円84銭と2020年6月以来ほぼ9カ月ぶりの安値を付けた。米景気の回復ペースの加速期待から円売り・ドル買いが優勢となった。
バイデン米大統領は25日、就任100日後までの新型コロナウイスのワクチンの接種目標を2億回と従来から倍増すると表明した。市場では米経済の早期正常化につながるとの期待が強まった。米政権は新たな経済対策を来週にも公表する見通し。先行きの米経済が力強く回復すると見方から円売り・ドル買いが優勢となった。
26日の米債券市場で長期金利が上昇し、日米の金利差が拡大するとの見方も円売り・ドル買いを促した。26日発表の3月の米消費者態度指数(確報値、ミシガン大学調べ)は1年ぶりの高水準に回復した。
2月の米個人消費支出(PCE)は前月比1.0%減と市場予想よりも減少した。ただ、大幅増だった1月分の反動や寒波の悪影響が出たためで、今月成立した追加の米経済対策に盛り込まれた現金給付が今後の米消費を押し上げるとの期待が強い。
円の高値は109円53銭だった。
円は対ユーロで続落し、前日比90銭円安・ユーロ高の1ユーロ=129円30~40銭で取引を終えた。
ユーロはドルに対して4日ぶりに反発し、前日比0.0030ドル高の1ユーロ=1.1790~1800ドルだった。新型コロナの感染拡大を背景とした欧州経済の減速懸念からこのところユーロ安・ドル高が進み、ユーロは前日には昨年11月以来の安値を付けていた。26日は週末を前にした持ち高調整や、利益を確定する目的のユーロ買い・ドル売りが優勢となった。
ユーロの高値は1.1806ドル、安値は1.1773ドルだった。
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