[シンガポール 25日 ロイター] - エジプトのスエズ運河で座礁した大型コンテナ船を移動させる作業は25日の満潮時に再開され、船舶追跡データによると、タグボート5隻での離礁作業が進められている。
スエズ運河庁によると、座礁した「エバーギブン」(全長400メートル、総トン数22万4000トン)はなお運河をふさいでおり、南北両方向とも通航できない状態となっている。
離礁作業に当たるオランダ企業Boskalisが蘭メディアに明らかにしたところによると、作業にかかる期間は不明で、「状況次第では数週間かかる可能性も排除できない」という。
海運サービス会社GACは顧客向けリポートで、タグボートによりエバーギブンを移動させる取り組みが続いているが、風の状態と船体の大きさが「作業の妨げになっている」と指摘した。
船舶追跡ソフトウエアによると、タグボート5隻がエバーギブンを取り囲んでおり、さらに3隻も現場に向かっている。ただ、エバーギブンはこの24時間でわずかに位置を変えたにすぎない。
現在、石油、天然ガス、穀物などを積んだ数十隻の大型タンカーやコンテナ船、ばら積み船などが運河の南北両側で待機しており、過去数年で最悪の渋滞が発生している。
専門家によると、24─48時間以内に復旧しなければ、一部の海運会社はアフリカ南端を回るルートへう回せざるを得なくなり、その場合は航行が1週間程度伸びる可能性がある。
スエズ運河庁のラビア長官はメディアに対し、一部の船舶は南向きの通航が可能と述べた。
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