日本航空(JAL)は1日、今期(2021年3月期)の純損益見通しが3000億円の赤字になるとの見通しを明らかにした。新型コロナウイルスの感染再拡大で国内線の旅客需要が落ち込み、従来予想の最大2700億円の赤字からさらに下振れる。
JALの発表資料によると、現時点での今期末までの予約状況に基づいて需要想定を見直したとしている。国内旅客需要は2月は前年同月の20%程度、3月は30%程度を見込む。
1-3月の月当たりキャッシュ燃焼額は約250億円の見通しで10-12月の約100億-150億円から拡大する方向。「手元流動性の確保と財務体質のさらなる悪化の防止を最優先」するとして、今期の中間配当に続いて未定としていた期末配当も無配とする。
昨春以降、新型コロナの影響で航空需要が世界的に落ち込む中、政府の観光支援策「GoToトラベル」事業の効果などで国内線は持ち直しつつあったが、昨年後半からの再感染拡大で同事業は停止。年明け以降は一部の都府県を対象に緊急事態宣言が再発令され、JALなどは再び大幅な減便を迫られていた。
今期業績見通し |
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10-12月期実績 |
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航空各社はコロナ禍を乗り切るため機材の削減などさまざまな方法でコスト削減を図ってきた。JALでは業績の下方修正を受けて固定費について当初想定比で1200億円以上多い規模の削減を見込んでいる。
JALの菊山英樹専務は1日のオンライン会見で、グループ外への企業などへの社員の出向については当初の予定より増えて1000人規模が対象となると述べた。3月末までに公表する予定だった新たな中期経営計画についても骨子は変えないものの発表時期を見直す考えを示した。
JALと競合する ANAホールディングス(HD)は先月29日、10-12月期の営業損益が815億円の赤字だったと発表したが通期の業績見通しは添え置いた。航空機の早期退役などに伴う事業構造改革費用として760億円の特別損失を計上した一方で、コスト削減幅を従来想定から150億円上積みし5580億円とすることを明らかにしていた。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームス・テオ氏は、「仮に緊急事態宣言が予定通り2月7日で解除されたとしても、ANAHDやJALは通期売上高予想を達成できない可能性がある」と指摘。同氏によると、解除が2月末までずれ込んだ場合、JALの通期売上高は「予想レンジ下限の5300億円を12%割り込む可能性がある」と分析する。
政府は今週中に専門家による諮問委員会を開いて意見を聞いた上で、緊急事態宣言の延長期間や地域を検討する 見通し。日本経済新聞社とテレビ東京が1月29-31日に実施した世論調査によれば、緊急事態宣言を延長するべきとする意見が9割に達した。
(決算の詳細や会見でのコメントなどを追加して更新します)
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