新型コロナの影響による利用客の減少で業績が悪化しているとして、JR西日本の最大の労働組合は、ことしの春闘で基本給の引き上げ、いわゆるベアに相当する要求を初めて見送る方針を固めました。
新型コロナの影響で新幹線や在来線の利用者が大幅に減少し、JR西日本は、ことし3月までの1年間の業績予想で、鉄道事業の売り上げが前の年から半減して、初めて、最終的な損益が赤字となる見通しを示していて、その規模は2400億円に上るとしています。
JR西日本の組合員のうち95%が加入する労働組合、JR西労組は、ことしの春闘で基本給の引き上げ、いわゆるベースアップに相当する賃上げの要求を見送る方針を固めました。
JR西労組がベアの要求を見送るのは、平成3年に組合が結成されて以降、初めてです。
ただ、入社年次に応じた基準昇給、いわゆる定期昇給については、実施を確認するほか、賞与については、去年よりおよそ2か月分少ない年間で3.5か月分を要求する方針だということです。
JR西労組は、「新型コロナの影響は甚大で、会社の存続が危ぶまれるほどの危機的状況に陥っている。短期的視点だけでなく、中長期的な視点で会社と議論を進めていきたい」としています。
5日、会社側に労組の要求書を提出することにしています。
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