「脱ガソリン」へ政府が動き出す。2030年代半ばに国内の新車販売を全てハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの電動車に切り替え、ガソリン車の販売を事実上禁止する。巨大市場の中国や欧米では、自動車の環境規制が先行。地球温暖化対策を強化する国際的な潮流に乗り遅れないよう、電動車の普及にはずみを付けたい考えだが、国内メーカーの戦略にも大きな影響を与えそうだ。
温室効果ガス実質ゼロに「脱ガソリン」不可避
政府が「脱ガソリン車」にかじを切ったのは、欧米や中国が自動車の排ガス規制やガソリン車販売の禁止など高い政治目標を相次いで打ち出す中、気候変動問題への強いメッセージを打ち出す必要に迫られていたためだ。
菅義偉首相は10月末、2050年までに温室効果ガスの実質ゼロの目標を打ち出したが、達成には自動車部門のCO2削減が鍵を握る。18年度の日本全体のCO2総排出量のうち、自動車からの排出は約16%を占めるからだ。
「従来型のガソリン車から電気自動車(EV)や燃料電池車へのシフト、自動車の電動化が不可欠だ」。「実質ゼロ」目標の達成に向け、梶山弘志経済産業相も繰り返し強調していた。
政府は現在、自動車メーカーに対し、30年度までに16年度実績比で約3割燃費を改善するよう義務付けている。30年時点でガソリン車やディーゼル車の販売比率を全体の3~5割まで落とすことも求めている(19年は約6割)。だが、この程度の対策では「実質ゼロ」目標の達成は危うく、「脱ガソリン」という強いメッセージを打ち出す必要があると判断した。
政府としては、電動車の推進によって、自動車業界全体の業務転換を図る考えもある。自動車産業は製造、販売、整備、資材など関連する就業者数は約540万人に上り、関連産業の裾野が広い。ガソリン車との決別を示すことで、サプライチェーン(供給網)の整備や技術開発支援を進め、海外勢に負けない競争力を付ける狙いもある。
とはいえ、今回の「脱ガソリン」は自動車業界への配慮もうかがえる。海外では多くの国がHVの販売も禁止する方針を打ち出しているが、日本はガソリンエンジンも使うHVは販売禁止対象にせず、HVとEVを電動車の両輪として位置付けている。
背景にあるのが、…
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